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A03 気相・固相の反応素過程に基づく中間温度における分子進化モデル

近年、原始星の周囲の数百 au 以内(太陽系サイズの数倍)の領域を空間分解した観測が可能となっています。その領域は星形成の中心部であるとともに、星間物質から惑星系への物質進化の場でもあります。私たちは、化学反応速度式を星・惑星系形成過程の物理モデル(輻射流体モデル)と組み合わせることで、この物質進化を解明する研究を世界に先駆けておこなってきました。 しかし、原始星の周囲は 10 K から 300 K 程度の中間温度領域にあり、従来の極低温(10 K)領域を対象とした星間化学では影響してこなかったさまざまな反応素過程の不定性が顕在化することが明らかになってきています。中間温度での素反応の反応速度や分岐比の解明は、ポテンシャルエネルギー曲面の決定に加え、反応ダイナミクスの理解も必要となるなど理論化学においても新たなフロンティアと言えます。本計画研究では星間化学、量子化学計算、宇宙物理学の専門家が協力し、中間温度においても定量的な予言性をもつ次世代アストロケミストリーを構築します。

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A03計画班代表:相川 祐理

東京大学 大学院理学系研究科

天文学専攻 教授

相川 祐理
Yuri Aikawa

東京大学
大学院理学系研究科

総括・化学反応ネットワーク数値計算

古家 健次
Kenji Furuya

国立天文台
科学研究部

気相-固相相互作用の数値モデル構築

高柳 敏幸
Toshiyuki Takayanagi

埼玉大学
大学院理工学研究科

量子化学計算

山崎 祥平
Shohei Yamazaki

弘前大学
大学院理工学研究科

量子化学計算

吉田 直紀
Naoki Yoshida

東京大学
大学院理学系研究科

輻射流体計算

花輪 知幸
Tomoyuki Hanawa

千葉大学
先進科学センター

輻射流体計算

渡部 直樹
Naoki Watanabe

北海道大学
低温科学研究所

固相反応メカニズムの解明

立川 仁典
Masanori Tachikawa

横浜市立大学
生命ナノシステム科学研究科(八景キャンパス)

[第2回公募研究代表者]
「水素の量子効果を考慮した新規量子化学による星間分子雲における重水素濃縮機構の解明」

奥村 雅彦
Masahiko Okumura

日本原子力研究開発機構
システム計算科学センター

[第2回公募研究代表者]
「機械学習分子動力学法による星間塵表面モデルの作成と検証」

田地川 浩人
Hiroto Tachikawa

北海道大学
大学院工学研究科

[第1回公募研究代表者]
「ダイレクト・アブイニシオMD法による光誘起・宇宙化学反応の理論解明」

Sameera W. M. C.

北海道大学
低温科学研究所

[第1回公募研究代表者]
「Quantum Chemical Determination of the CO」

堀 優太
Yuta Hori

筑波大学
計算科学研究センター

[第1回公募研究代表者]
「星間空間におけるアミノ酸ホモキラリティー生成過程の量子化学的探求」

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